遺言の方式一覧

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民法に定める遺言の方式

遺言は、民法に定める方式に従って行う必要があります。

遺言の方式には、普通方式と特別方式があります。
普通方式の遺言として、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言があり、特別方式の遺言は、死亡が危急に迫っている場合や一般社会と隔絶した場所にあるため、普通方式による遺言ができない場合に限り認められるものです。

遺言の方式

自筆証書遺言

自筆証書遺言は、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに押印することによって成立します。用字、用語は略字、略語でも外国語でも構いません。
自筆証書遺言は、その名のとおり、遺言者自らが書かなければなりません。
他人に代書させたり遺言者の口述した内容を他人が筆記したものは、その内容の正確性いかんに関わらず無効ですし、タイプライターやワープロで打ったりテープに吹き込んだものも無効です。自書と言えるためには、遺言者が自書能力、すなわち文字を知りかつ筆記する能力を有している必要があります。遺言者が他人の補助(添え手)を受けて書いた遺言書についても、原則として無効となります。

自筆証書遺言は、文字の書ける人であれば誰でも作成でき、費用もかからず、しかも作成の事実を誰にも知られないなどのメリットがあります。しかし、方式不備で無効とされる可能性が高く、その内容の真意が争われる可能性も高いといえます。また、遺言書が公証役場に保存されるわけではないため、偽造、変造、紛失、滅失のおそれがあるという大きなデメリットがあります。

公正証書遺言

公正証書による遺言は、証人2名以上の立会いがあること、遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること、公証人がその遺言者が口述した内容を筆記して遺言者及び証人に読み聞かせること、遺言者及び証人が筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名、押印すること、公証人が適式な手続に従って作成されたものである旨を付記して証書に署名、押印することによって作成します。

公正証書遺言は、遺言書の原本が公証人役場に20年間保存され、紛失、滅失などのおそれがありません。また、専門家が関与するため、遺言者の意思を正確に実現することができ、また方式の違反によって遺言が無効とされる可能性も極めて低いといえます。手続的には、一見面倒そうに見えますが、実務的には簡単なものとなっていますので、遺言は原則として公正証書遺言によるべきです。

秘密証書遺言

秘密証書遺言は、遺言者がその証書に署名押印すること、遺言者がその証書を封じ、証書に用いた印章でこれに封印すること、遺言者が公証人1人及び証人2人以上の面前で封書を提出して、それが自己の遺言書である旨並びに氏名及び住所を申述すること、公証人がその証書の提出された日付及び遺言者の申述を封紙に記載した後、遺言者及び証人とともに署名押印することにより作成します。

秘密証書遺言は、遺言書の存在を明らかにしながら、内容を秘密にしておけるというメリットがあります。一方、手続が面倒である割には遺言の効力が争いになるおそれがあり、また、遺言書が公証人役場に保存されるものではないため、紛失、滅失等の危険があるというデメリットがあります。

危急時の遺言

危急時遺言は、遺言者に死亡の危険が迫って自ら遺言書を自署したり署名押印ができない場合に許される例外的な遺言です。一般危急時遺言(一般臨終遺言、死亡危急者遺言)と難船危急時遺言(難船臨終遺言、船舶遭難者遺言)の2種類があります。

一般危急時遺言

疫病その他の事由によって、死亡の危急に迫った者が遺言をしようとするときは、証人3人以上の立会があること、その1人に遺言の趣旨を口授すること、口授を受けた者がこれを筆記し、遺言者及び他の証人に読み聞かせ、又は閲覧させること、各証人がその筆記の正確なことを承認した後、署名、押印すること、遺言の日から20日以内に証人の1人又は利害関係人から家庭裁判所にその確認の請求をすること、確認の請求を受けた家庭裁判所が遺言者の真意で遺言をしたとの心証を得て確認すること、という要件のもと遺言の作成が認められます。

難船危急時遺言

難船危急時遺言は、船舶遭難の際、在船者で死亡の危急に迫っている者に許されるもので、危急時遺言より一層簡略な方式が認められています。

証人2人以上の立会を得て、遺言者が口頭で遺言をし、証人が遺言の趣旨を筆記し、これに署名・押印することでなされ、筆記が遺言者の面前ないしその場でなされることも、筆記を遺言者及び証人に読み聞かせることも必要ではありません。また、家庭裁判所による確認は、証人の1人又は利害関係人から遅滞なく請求すれば足ります。

隔絶地遺言

隔絶地遺言とは、危急時遺言のように死亡の危急が迫っているとの事情はないが、一般社会との交通を遮断された者がなす遺言です。伝染病のために隔離された地域にある場合に行われる伝染病隔離者遺言と、船舶という隔離された場所にある場合に行われる在船者遺言と2種類があります。

伝染病隔離者遺言は、伝染病に限らず、一般社会との交通が事実上又は法律上自由になし得ない場所にある場合すべてを含むと解されています。例えば、刑務所内にある者、戦闘・暴動・災害などのような事実上の交通途絶地にある者なども含まれます。そのため、伝染病隔離者遺言は一般隔絶地遺言とも呼ばれます。

伝染病隔離者遺言(一般隔絶地遺言)は、警察官1人及び証人1人の立会をもってなすことができ、在船者遺言は、船長又は事務員1人及び証人2人以上の立会をもってなすことができます。